漢方とアトピー性皮膚炎の上手な付き合い方

漢方とアトピー性皮膚炎の上手な付き合い方

アトピー性皮膚炎の治療でもよく耳にする漢方。日本では東洋医学として古来からなじみがありますが、それだけに勘違いや思い込みなど、意外に間違った認識や、過大な期待を抱いていることもあるかもしれません。

漢方とアトピー性皮膚炎、その上手なお付き合いの仕方を考えてみましょう。

 

 

そもそも漢方って何?

漢方というと中国を連想しますが、実際には漢方は日本独自に発展してきたものです。ただ、歴史をさかのぼると中国医学に辿り着くので、漢方=中国というイメージができあがったのです。
漢方はもともと西暦500年頃に中国医学として、原型ともいうべきものが書物で朝鮮半島経由で伝わりました。
その後長い間、日本の風土・気候や日本人の体質にあわせて独自に発展を重ね、16世紀頃に伝わった西洋医学(蘭方医学)に対して、これまでの医学を漢方医学として呼ばれるようになりました。現在では、148種類の漢方処方に保険が適用されて利用されています。

漢方では、西洋医学とは全く考え方が異なり、全身の状態を「証」、炎症の有無を「陰陽」、体力の質を「虚実」で表して診断し、薬が処方されます。漢方薬そのものは自然の生薬で、主に植物成分が多く使われます。アトピー性皮膚炎の治療としての漢方は、主に「体質改善」というところで効果が期待されています。
そしてよく勘違いされることですが「漢方は自然の生薬だから副作用がない?」という認識をされる方がいますが、これは間違いです。
「漢方薬」にもやはり副作用はありますので注意が必要です。

アトピー性皮膚炎でよく利用される漢方薬

湿疹の赤み
黄連解毒湯、龍胆瀉肝湯、五物解毒湯、三金湯、など
ジクジク
黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯、荊芥連翹湯、など
乾 燥
当帰飲子、当帰養血精、黄耆建中湯、参苓白朮散、など
軟 膏
紫雲膏、太乙膏、中黄膏、など

漢方とアトピー性皮膚炎の上手な付き合い方

アトピー性皮膚炎は、赤みタイプ・ジクジクタイプ・乾燥タイプなどその症状は様々です。
しかし共通して言えることは、体内免疫機能のバランスの崩れなど様々な理由から肌のバリア機能が低下し、これらの症状が出ているということです。
アトピー性皮膚炎の治療には、体内免疫機能のバランスの調整など「体質改善」もとても大切ですが、これはどうしても時間がかかることで、食事も含めじっくり腰を据えて考えなければなりません。アトピー性皮膚炎の厄介なところは、肌のバリア機能の低下は痒みを産み、その痒みはさらなる肌のバリア機能の低下を産むという、悪化サイクルに陥ってしまうところです。

体質改善にかける時間が、目の前の肌の症状に追いつかないという問題があるのです。あくまで漢方を万能として考えるのではなく、漢方には得意とするところの「体質改善」を時間をかけて任せ、それと同時に「肌のバリア機能回復」に特化した治療を併用するのがいいのではないでしょうか?